幼いころ、姉が幼稚園から持って帰る、うすい絵本冊子を読んでもらうのが楽しみだった。
4コマまんがや迷路などものっていて、姉がいないとき、こっそり出して見ていた。
姉と一緒に開く絵本の楽しさを知ってしまったからか、幼稚園に上がって自分で読めるようになっても、読めないふりをして、誰かに読んでもらおうとしていた。
一緒にハラハラ、ドキドキ、声をあげて笑い合って、悲しくてしんみり。
「もう、ひとりで読めるでしょ。」
しかし、あっさりと見破られてしまった。
絵本はひとりで開いても楽しいけれど、誰かと一緒に、そして誰かに読んでもらうのは、格別だと思う。
そしてまた、その誰かと、絵本の話で盛り上がったりして。